テレクラは、電話でのナンパなんだから、
声は重要なポイントだ。
暗くこもった声、にやついた声、イヤらしい声、猫なで声、
あせった声、必要以上に女に媚びる声、オレはテレクラへ行く前は、テレコで練習する。
いつでもあせらず、落ち着いた声を出せるようにしているつもりでも、
本番でアポがとれそうになると、つい地声が出て早口になり、女から、「え?」と聞かれる。
「えっ?」が女の子の口から何度も出ると、めんどうなのか切られることが多い。
「悪いけど、それじゃぁ」といって切る女に質問する。
「どうして切るの?教えて」
「声がいやらしい」
「オヤジ声だから」
「高い声ってデブだから」
話し中に女が突然電話を切る「ガチャ切り」。
テレクラ愛好者の誰もが一度ならずイヤというほど体験しているはずだ。
聞いてみるとこんなふうだ。
「最初のころは、ごめんなさい、
またね、と断ってから切ってたけど、それ言うと
『バカヤロウ、ブス』とかひどいこと言うの。
それがイヤで合いそうにない時はすぐ切る。
もう慣れた」
テレクラは電話での会話から、すべてが始まるのだから、
電話での会話力が必要になってくる。
だが、英会話を習うわけじゃない。
ここでは嘘もでまかせも重要な要素だ。
おべんちゃら、ゴマすり、女のご機嫌とりだけでは若い女は出てこない。
以前、所沢のテレクラでこんなことがあった。
受話器の向こうで、友達らしい声もきこえ、会う気もなさそうだったので、
適当にバカなことを言ってみた。
「大学病院の助手だよ。非番でさぁ。悪いとこあったら見てやるよ。」
相手もテキトーなやりとりだったが、
実際に出会ってみて話をきくと、
「ほんとにのお医者さんかと思った」と言った。




